貸借対照表・損益計算書

初めまして。先週から始まった新人二人でお送りする新人ちゃんブログ。
第2回は、同じく4月から税理士事務所勤務の時合が書かせていただきます。
よろしくお願いいたします。

さて、前回南谷のブログでは、会計とは何か・入力方法について記載されています。
とても分かり易いので、是非見ていただきたいです。

今回は、貸借対照表損益計算書についてお話しさせていただきたいと思います。

まず、貸借対照表(B/S)についてです。
貸借対照表は、一定時点の財政状態を表した報告書です。
資産・負債・純資産からなっています。

①資産

資産は、会社の財産となるものが入ります。

Ⅰ流動資産
通常1年以内に動く資産を流動資産と言います。
流動資産の中でも3つに分けられ、現金預金・有価証券などの当座資産、商品・仕掛品などの棚卸資産、前払費用・短期貸付金などのその他流動資産に分けられます。

Ⅱ固定資産
固定資産は、長期的に保有する資産や1年以内に動きのない資産のことを言います。
固定資産も3つに分けることができ、建物・車両運搬具などを有形固定資産、のれん・特許権などを無形固定資産、投資有価証券・長期貸付金などの投資その他の資産です。

Ⅲ繰延資産
繰延資産は、将来の期間に影響する特定の費用です。 費用だから損益計算書ではないのと思いますが、来期以降に処理を行うため資産に計上できます。 創立費・開業費・開発費などがそうです。

②負債

負債は、会社が支払わなければならないものが入ります。

Ⅰ流動負債
流動資産と同じように1年以内に動く負債、つまり、1年以内に返さなければならないものです。支払手形・買掛金・短期借入金などが入ります。

Ⅱ固定負債
支払期限が1年を超えるもの、つまり1年以内に支払いがないものが固定負債になります。
社債・長期借入金などが入ります。

③純資産

純資産は資産から負債を差し引いいた部分です。

Ⅰ株主資本
株主資本は株主が出資したお金のことです。「純資産」というのはこのことを指します。
こちらは、資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式の4つに区別することができます。

Ⅱその他
ここには、株主資本に当てはまらない純資産が入ります。
その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益などが入ります。

表にすると、借方(左側)に資産、貸方(右側)に負債と純資産が来ます。
正しく入力されていれば、資産合計と負債・純資産合計が一致します。 逆に合計額が一致しなければ、どこかが間違っている証拠です。大変ですが、1科目ずつ確認していくのが良いと思います。

以上が貸借対照表についてです。

 

少し話が脱線してしまいますが、
仕訳の際に借方は左側、貸方は右側に記入しますが、どちらが右か、左かわからなくなりませんか?
覚えてしまえばいい話なのですが、最初の頃はなかなか覚えられないですよね。

そんな時は「借方」 「貸方」をそれぞれひらがなで書いてみてください。

かりかたの「り」は左にはらうので左側に、かしかたの「し」は右にはらうので右側になると覚えておけば、忘れた場合にひらがなで書くと覚えておけばきっと思い出すはずです。

 

 

さて、話を戻して次は損益計算書(P/L)についての説明です。

損益計算書は、一定期間の経営成績を表した報告書です。
こちらは費用と収益からなっています。

費用は、会社にとってマイナスとなるものが入ります。
仕入・給料・消耗品費・雑費などです。

収益は、会社にとってプラスとなるものです。
売上・受取利息・雑収入などです。

損益計算書は上から、売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益の順番に5種類の利益が並んでいます。 この5種類の利益について説明したいと思います。

①売上総利益

売上総利益は売上高から売上原価を引いたものです。
例えば、A社から仕入れた商品をB社に売る際に、仕入れた価格で売る人なんてきっといないでしょう。 皆さん金額を上げて売るはずです。 仕入れた価格と売った価格の差額が売上総利益となるのです。

②営業利益

営業利益は売上総利益から販売費および一般管理費を引いたものです。
販売費および一般管理費は、給料・旅費交通費・消耗品費・支払手数料など仕事をする上で必要となる費用のことです。ここに入る科目名は○○費となっているものが多数ですが、開業費などは繰延資産に入るので注意が必要ですね。 勘定科目が多いので損益計算書には、販売費および一般管理費としてまとめて記載し、別紙で販売費および一般管理費の内訳書を作成しておくと良いでしょう。

③経常利益

経常利益は営業利益から営業外収益を足し、営業外費用を引いたものです。
営業外費用・営業外収益は販売費および一般管理費と違い会社の本業以外で発生した費用・収益になります。 例えば、営業外収益なら受取利息・受取配当金・雑収入、営業外費用は支払利息・手形売却損・雑損失などがあります。

④税引前当期純利益

その名の通り、税金を引く前の利益です。 特別利益を足し、特別損失を引いたものが税引前当期純利益です。
特別利益・特別損失の主な科目は、固定資産(建物・備品など)を売却・除却した時の帳簿価格との差額である固定資産売却損益、除却損益です。特別損失には、災害による損失も入ります。

⑤当期純利益

税引前当期純利益から法人税、住民税及び事業税を差し引いたものです。
この金額が純粋な会社の利益となる金額です。

5種類の利益について説明させていただきましたが、②~⑤は損失になることもあります。
必ず利益になるとは限らないので注意が必要ですね。そしてこの5つの利益を計算式で表すとこのようになります。
①売上総利益=売上高―売上原価
②営業利益=①-販売費および一般管理費
③経常利益=②+営業外収益―営業外費用
④税引前当期純利益=③+特別利益―特別損失
⑤当期純利益=④-法人税、住民税及び事業税

まとめてみると、一連の流れで完成されているのだと分かりますね。 そして、一つでも間違えたら最後の金額も変わってしまうので一つでもミスをしない正確さが求められます。勿論、貸借対照表や他の決算書などもすべて間違えられない大切な書類です。

 

今回は、貸借対照表・損益計算書について書かせていただきました。
次回は6月23日に投稿予定です。
ありがとうございました。